こわ~い山の天気

山の天気は予想しにくい。
下界は快晴でも、頂上付近は吹雪ということもあり得る。
この3連休中も、何人かの登山者が悪天候により命を落とした。
実は、そのこわ~い山の天気に、我々夫婦も遭遇した。
八ケ岳登山を計画したのは9月末。
6(土)7(日)8(月)の3日連休を利用。
6日 茅野駅→(バス50分)→美濃戸口(標高1500m)→(上り4時間)→赤岳鉱泉(標高2200m)宿泊
7日 赤岳鉱泉→(上り3時間)→硫黄岳(標高2760m)→(下り2時間)→本沢温泉(標高2000m)宿泊
8日 本沢温泉→(下り3時間)→稲子湯→(バス25分)→松原湖駅(小海線)
夫が、めちゃめちゃ”上り”に弱い私のために立ててくれた、めちゃめちゃ”ゆったりプラン”。
先週初めから天気は気になっていた。
台風16,17号がうろうろしていたし、秋雨前線が停滞し、雨が続いていた。
しかし台風は徐々に日本から遠ざかり、低気圧も北上の予想。
6日の天気予報は曇り・雨、その後は西日本から回復というものだった。
夏に常念岳登山を計画したが、台風で泣く泣くキャンセルしたこともあり、
紅葉シーズンの3日連休登山に我々の期待は膨らんでいた。
初日は低気圧の影響が残り、曇り時々小雨。
森の緑の中、蔦やもみじの赤は際立って美しい。
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「今日は、雨でもいいさ。明日頂上で晴れてればいいんだから。」
午後2時赤岳鉱泉到着。一泊8000円。個室が空いていたので、

4000円プラスで個室にする。

夕食の5時半まで随分時間があるのでお風呂に入る。(何よりの贅沢)。
部屋に戻り、持参したウィスキーで小宴会。
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2日目  5時起床。6時半出発。
期待に反して、この日も朝から曇が立ち込め、
風が強い。気温もかなり低い。
「天気は徐々に回復するから、午後にはもっと良くなるだろう」
と前向きに期待する。
上り始めて1時間ほどすると、下山する人たちとのすれ違いが多くなる。
彼らのほとんどが同じことを口にする。
「上はかなり危ないですよ」「凍傷になりそうでしたよ」「風で立っていられない」
「もうあきらめて降ります」などなど。髪の毛や上着に霜がついている。
でも自分たちが歩いている場所は、風は少々あるものの、比較的穏やかで、
頂上の様子は想像できなかった。
少し不安になってきた私に、夫は「我々は、頂上からすぐに下るコースだから大丈夫」
と励ましてくれる。
しかし、頂上付近に近づくにつれ、木々の表情が変わる。
枝や葉についた霧が凍り付いた霧氷。
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「かなりやばいかも」と思いつつ、とうとう頂上まであと15分という場所に。
そこは広々とした砂地。晴れていればきっと素晴らしい景色が望めるであろうその場所は
まるで賽の河原のような雰囲気。砂は凍りつき、強風が下から容赦なく吹き上げる。
立っていることはおろか、四つん這いになっていてもリュックごと吹き飛ばされそうなくらいの強風。
周りには風をよける樹木はいっさいなく、低い岩が並ぶだけ。
四つん這いになっている私に、夫は叫んだ。
「だめだ!引き返そう」
自然の力の前では、人間は無力なんだ。逆らってはいけない。
予定は変更し、元来た道を下り、その日のうちに帰宅することにした。
翌朝の新聞テレビで遭難のニュースを知った。
あと10分で山小屋という地点での遭難。
吹雪で動けなくなった60代。
「危険な中高年登山」「甘すぎる天気予想」と厳しい批判。
10月初旬であっても山はもう冬の入り口なのだ。
危険を早く予測する能力は大切だ。
しかしどんなに予測して回避したつもりでも、小さな危険はつきまとうことを
覚悟しておくべき。そして、そうした小さな危険をいくつも経験してこそ
予測能力の精度があがるということも事実だろう。
今回計画を途中で断念しなければならなかったことはとても残念だったが、
ほんの数分でも危険な状況に遭遇、自然の怖さを見、そして適切な判断を
することができたのは、ある意味収穫だったかもしれない。

 

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こわ~い山の天気」への7件のフィードバック

  1. 犬の散歩から帰ったところです。
    コメントいただいていたので、さっそくブログを覗いてみたら写真満載で臨場感抜群!!それにしても無事に帰還できてよかったですね。御主人の判断は正解でした。
    こちら岩手山はもうすぐ初冠雪の時期です。そうなると盛岡の秋はいっきに深まります。私は登山はしませんが、山歩きが好きなのですね。天気がよかったらきっと紅葉がきれいだったはずなのに残念でした。でも来年はきっと成功しますよ!!

  2. sakautaさん
    写真入れてよかったー。
    お住まいは盛岡なんですね。機会があったら是非訪れたい土地です。
     

  3. こんにちわ、コメント有難うございます・・・。
    海外ネタで申し訳ないのですが、以前アーチーズナショナルパークへ行ったとき、
    二時間歩いたトレイルの末、強風でそれ以上近寄れず、遠目で(絵葉書みたいな感じで)岩を見た・・・
    という記憶があります。
    でも、泊りがけの山登り・・・危険は伴いますが、楽しそうです。
    僕だったら、色々な可能性を考えて、無駄な荷物を沢山持っていきそうです。
    ウィスキーのペットボトルでの持参・・・アイディア頂きます。
    では

  4. Takさん
    今回のおつまみは、ベビーチーズとハムの薄切りパックでしたが、
    昨年暮れの登山では、ムースのソーセージとトナカイのジャーキー
    (娘と娘の彼-スウェーデン人-のおみやげ)で盛り上がりました。
     

  5. 本番の次の日~登山!?
    すご~い! お元気だっ!!! (^O^)/
    ご夫婦そろって山に挑戦している様子、目に浮かぶなぁ。
    とってもいい感じよ(^_-)-☆
    切羽詰った引き際の判断・悔しさ…また貴重な経験をされて人間豊かになったのね。
    写真もお見事。
    素晴らしい紅葉・・・かと思えば下界では想像も出来ない寒さ・冷たさ・・想像しています。
    小宴会、楽しそうだなぁ。。。
    幸せに乾杯!!(^^)/

  6. そうです、ここは盛岡です。もしこちらに来られるようなことがありましたら、情報お教えしますよ。ところでそちらはどちらでしたっけ?

  7. 気候温暖な湘南です。(湘南と言っても広いですけどね。)
    温暖過ぎて、北陸の雪国育ちの私としては、物足りないと思うことも。
     

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