祈りを縫う

数か月前、友人からアメリカ土産にベビーキルトのプリント布をもらった。

キルト綿と裏布をあててキルティングするだけの簡単ベビーキルト。

その気になれば、いつでもできるからとずっと畳んだままだった。

あわててキルティングを始めた。

やわらかいベビー色に包まれて 私は

 

ひと針ひと針、祈りを込めて縫う。

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母性愛のリレー

実家の母から電話がかかった。

いきなり母の声だったので、ちょっと驚いた。

母は耳が遠いので、こちらから何か伝えたいときも直接電話をすることはなく、いつも姉を通じて伝えてもらっていたから。

「赤ちゃんはきっと大丈夫よ。 あなたも心配し過ぎて体を壊すことがないようにね。」と言われた。

私を励ますくらい元気になってることがうれしく、また、どこまでも私の健康を気遣ってくれている母の愛情が身にしみる。

娘である私を励ます母。

娘を励ます私。

孫を励ます娘。

母性愛のリレーだ。

神頼み

低体重で生まれた赤ちゃんは特別室に入っているらしい。

こちらからかける電話に、娘はつい弱音を吐く。

「母親がそんな弱気でどうするの! しっかりしなさい。」と励ます。

「お母さん、祈ってて・・・」と娘。

うんうん・・・・わかった。

 

普段は全く無視されている我が家の神棚に頭を下げる。

どうか赤ちゃんが無事に成長しますように。

よかったー!

孫が生まれた。

予定日よりかなり早い出産だったが母子ともに無事・・・・よかった~。

 

日曜日午後3時、娘が突然電話をかけてきた。 

今にも泣きそうな声だ。

「これから陣痛が始まるみたいなの・・・・こんなことになるなんて・・・」

彼女の不安が伝わってくる。

何しろ予定日はまだ1か月先なのだ。 

夫に告げると「すぐに行ってやれ」と言う。

インターネットで航空券をチェック。

う~ん格安チケットは無理だ。  となると、ものすごく高い!

夫は「そんなこと言ってる場合じゃないっ!」

でも・・・・明日というわけにはいかない。 準備を考えると明後日・・・これじゃ、間に合わないではないか。

ああ~、やっぱりスウェーデンは遠い。

ここは冷静に考えよう。

彼女のそばにはちゃんとパートナーDがついているのだ。

娘がスウェーデン人のDと出会い、スウェーデンに住むと決めた時から、彼女の人生のすべてを彼に託したのだ。

ここはやはり私の夫の指示より、彼の指示に従おう。

急いで彼にメールを書く。

「私のヘルプが必要とあなたが判断したら、連絡してください。 それまで待機しています。」

冷静な自分がいる一方で、早産という不安と陣痛で苦しんでいる娘を思うといてもたってもいられずおろおろする自分。

夜7時半・・・再び娘から電話が入った。

「もう生まれちゃったよ~。 赤ちゃんも無事だよ。」

えええっ!  もう生まれたの?  ほんと? 

ワ~、バンサ~イ、よかった、よかった。

祝杯だ!

うれし涙が止まらない。

藍染体験

手織り教室では年に1度、丸一日をかけて糸染の実習をするのだが、

今年は、八王子にある藍染工房に出向き、本格的藍染を行った。

白糸を前日から水に浸し、出かける日の朝、洗濯機で脱水。

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普段は江戸小紋の浴衣を染めている工房

20080822f

暗い工房の中には藍甕が10個ほど並ぶ。

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 20080822c

テレビでは見たことがあるが、実際に体験するのは初めて。

甕の中に落ちるんじゃないかとハラハラしながらの作業だった。

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染めた糸を洗って干す。  色を濃くしたければ、染め・洗い・干すを何度か繰り返す。

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私が染めた糸は麻・木綿・ラミーなど1.5kg

20080822g

大好きな藍染めの糸・・・・眺めているだけでも幸せ!

平気で生きる

母はとても元気だった。

私の滞在中(2日間)も、自分の予定は崩さず、週一度のデイケアセンターへ休まずに出かけた。

帰宅後も疲れを見せず、折り紙に熱中。 姉から「ほどほどに」と注意されているのに・・・・。

母の部屋にあるパソコンをいじっていたら、「ねえ、エクセルが見つからないんだけど、出しておいてくれる?」と言われた。

へえ、エクセル使うつもりなんだ・・・・。

「キーを打つのは疲れるのでメールは書けないけど、読むのは平気よ。 ブログも読んでる。 写真も送っていいよ。保存できるから」だって。

口も達者だ。

親友のクーちゃんと久しぶりに話そうと家まで来てもらったのだが、ほとんどの時間は母とクーちゃんがしゃべってた。

痛み・かゆみ・発熱などの症状がなくなったとは言え、

肝硬変の末期で、入院時に見つかった肝臓癌もそのままなのに

・・・・ほぼ入院前の母に戻りつつある。

しかも性格は以前にも増して明るくなり、怒ったり泣いたりが全くないらしい。

(時には、わがままと思われるくらいのときもあるようだが)

「一体どうなっちゃってるの?」とみんな首をかしげる。 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

帰りの車中で読んだ文芸春秋9月号に先月亡くなられた戸塚洋二氏に関する記事が出ていた。

氏は亡くなる直前まで闘病記録をブログで公開されていたのだが、

5月○日の日記に、氏が非常に納得した言葉として、正岡子規の『病牀六尺』 の一節が紹介されている。
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悟りといふ事は如何なる場合にも平気で死ぬる事かと思つて居たのは間違ひで、

悟りといふ事は如何なる場合にも平気で生きている事であつた。

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もしかして、母は悟りの境地にいるのであろうか・・・

「脳」整理法

暑さのせいもあって、ダラダラ、グダグダ、ネチネチ過ごしていた帰省前。

どこかでふっきらなければと思っていた。

家中を思いっきり掃除して、身も心もすっきりする手もあるが、

これは帰省後に回すこととし、

帰省中は本を読もうと決めた。

茂木健一郎・・・・「脳」整理法

 

目を引いた目次

     脳は体験を整理し、知を創造する

     生きて死ぬ人間の知恵

     偶有性が脳を鍛える

     自分を離れて世界を見つめる

     「他人」との関係から脳が育むもの

     主語を入れ替えて考える

現代社会での生き方を、哲学でも宗教でもなく、脳の働きという観点から考える本。

難解な箇所、退屈な箇所もあり、しかも全部読み終わってはいないが、なぜか気持ちが落ち着いた。

私の脳、少しは整理されただろうか・・・・。   

プロの技

夫の実家は農家。

メインは米で野菜は自家用のみだが、さすがプロだけあって、できる野菜はどれも立派。

我々のような素人が作ったものとは格段の差がある。 

帰省するたびに、野菜作りに関するアドバイスをもらうのだが、

今年はカラス対策について尋ねたところ

こんなお土産をもらった。

頭のいいカラスだけに、これを見ると怖がって近づかないのだそうだ。

ゴミ袋だとわかっている私でさえ、ギョッとする。

気分転換

先週半ばに落ち込んで以来、気持ちはずっと停滞気味。

それでも日々は淡々と過ぎていく。 

ああ~、何かすっきりすることないかなあ・・・・

 

今日から5日間の帰省。

少しでも気分が変わることを期待したい。

綿

2月の終り頃だったか、お花ちゃんのブログに綿の種をもらったという話が書かれていた。

「あっ、いいな」とコメントしたら、プールで会ったときお花ちゃんからおすそ分けの分をいただいた。

「播くのは5月よ」と教えてもらって、そのとおり播いたのだが、なかなか芽が出なくて心配し、

芽が出た後もあまり成長しないので心配していたら・・・・

 こんなに大きくなっていた。

こっちはピンクの花

花の色が違うと、できる綿の色も違うのかなあ・・・?

どのくらい収穫できるだろう・・・

種を取って糸に紡いで織ってみたい。

綿の収穫が楽しみになってきた。

絵文字鉢

家のリフォーム直後に購入した、小さな観葉植物。

水道の蛇口のすぐそばに置いている。

20080807a

いつものとおり名前は忘れてしまった。

私のような植物に対する愛情不足人間のもとでも、かろうじて生き延びてくれている。

 

枝(?)が鉢の周りに垂れ下がってきて、少しうっとおしそうなので、

カットしたら、

20080807b

うれしそう・・・・・。

でも今朝の私の気分は

20080807c

訳ありで、不快。

こんな日もあるか・・・・。

真夏の機織り

山登りから帰ってきて3日間は、超スローテンポの生活が続いた。

何をするにも足の筋肉が痛くてすばやく動けないのだ。

いててぇ・・・・・いててぇ・・・・の連発。

しかも痛さに加えて、外はうだるような暑さ。 

まったく地獄だ・・・・・

しかし、夫は暑さも痛さも耐えつつ出勤する。

私もがんばろう・・・

クーラーを効かせた部屋で

首にはタオルを巻き、

足元は冷やしたくないので靴下をはき、

冷やした煎茶を飲みながら

一日中、機を織る。

 20080805b

20080805a

テーブルマット8枚出来上がり。

燕岳登山 Part4

夏山登山は、梅雨明け10日間がチャンスと言われている。

天候が安定しているからだ。

しかし、温暖化の影響のためか、これが当てはまらなくなっている。 また、天気の予想も難しくなっている。

単純に雷は午後3時以降と思っていた私は、今回あらためて山の天気の怖さを実感させられた。

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

さて、雨・風・雷は午後4時頃、ようやく止んだ。

気になっていた、成城学園の一行は結局動かず、連泊を決定。 槍ヶ岳までの縦走は翌日にするということだった。

夫の休みがもう一日あれば、我々も翌日縦走を果たせるのだが、残念ながらその余裕はなく、この日は我々も山小屋に連泊し、翌日は下山と決めた。

午後4時頃の様子・・・・

お~、晴れてきたぞ・・・・昨日行けなかった燕岳の山頂まで登ろう・・・・

 

途中、急斜面に群生している「駒草」に目を奪われる。

           ”高山の砂礫地に生え、 「高山植物の女王」と呼ばれる。 花が馬の顔に似ているので”駒”。

           乾きやすく養分も少ない不安定な 礫地(れきち)に、柔らかい根を 地中に深く伸ばして生きている。”

山頂は風が強く、やっぱり怖くて立てなかった。

夜8時外へ出てみた。

星が輝いている。

天の川も見える。

あっ、流れ星・・・・

一夜明け、

 

かろうじてご来光が見られた。 

これから下山だ。

 ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

3泊4日の登山はこうして無事終えることができた。

が、途中で断念した縦走は心残り。

決して山好きとは言えないし、下山後の筋肉痛に苦しんだ私だが、

このリベンジいつか果たさねば!

と思い始めている。

燕岳登山 Part3

3日目は 燕岳→大天井岳→常念乗越・・・・尾根の縦走だ。

コースタイムは5時間半。 私の足では7時間以上はかかりそう。

だが、比較的楽な道らしい。

「どんな道?」と聞いた時、夫は「まるでサウンド・オブ・ミュージックに出てくるような場所」と説明してくれた。 

20080727 (15)a 前日撮った写真・・・・手前の緑の部分が尾根道

かなり期待していた。

朝3時半起床、4時に朝食。

外へ出てみると、濃い霧が立ち込め、風も吹いている。

不安げな宿泊客たち。

今日の天気は?・・・・

小屋のオーナーがフロントでインターネットの天気図を見ながら、宿泊客の質問に答えている。

「前線が南下してきているため午前中は曇りか雨という予報なんですが・・・・山の天気は変わりやすいので、実は僕でも何とも言えないんですよねえ・・・」

5時・・・支度を整えて早々と出発した人もいれば、リュックを背負ったまま躊躇している人たちもいる。

例の成城学園の一行を率いるベテランガイドは「10時まで小屋に待機」という判断を下したようだ。

「この天候の中、途中で立ち往生した場合のことを考えると、中学生には危険すぎる。」ということだった。

夫は「我々もそうしよう。」と言った。

「うん、その方がいいよ」と私。

しかし、相変わらず数人ずつ小屋を発っていく。

この人たちは「この天気でも大丈夫」と判断したのだろう。

この流れに刺激されたのか、一旦は待機と決めた夫が突然、「やっぱり、行こう。」と言った。

山では一切の判断を夫に委ねている私は「ハイ」と素直にうなづく。

5時50分小屋を出発。

雷の音が方々で鳴っている。 雨がぱらつく。  尾根の片側から吹き上げる風はかなり強い。

ピカッ・・・・・・

「あっ、光った!」

数秒後・・・ゴロゴロ・・・・・ゴロゴロ・・・

ピカッ・ゴロゴロを数十秒毎に繰り返している。

「いやだなあ・・・雷落ちたらどうしよう・・・・大丈夫?・・・・ここじゃ隠れるところないよね・・・・ああ、怖い!・・・・」

ドキドキ、コワゴワ、ヒヤヒヤしながら、30分ほど歩いただろうか、

大きな岩塊が数個集まっている場所「蛙岩・・・ゲエロイワ」に着いた。

岩の高さは7~8m。

「ここで、雷が止むのを待とう」と夫が言った。

「ここは本当に大丈夫なの?」と私。 雷が落ちそうな場所だなあ・・・。

「雷は高い所に落ちてくれる。 だからこそ、何もない場所に立っているより、ここの方がむしろ安全。」

なんたって夫は電気専門だ。

夫の言うことは正しいに違いない。 信じよう。

(後で夫が告白・・・「実は非常にビビっていた」)

途中、いくつかのグループが我々を追い越して行った。

「1分経っても次の雷が鳴らなければ、先へ進もう。」と夫。

雷が鳴る。 二人で顔を見合せて1分待つ。

ところが1分前後の間合いで必ず次のピカッが来る・・・・そして雷鳴。

(これも、のちに夫は「実はあの1分は何の根拠もなかった」と謝罪。)

雨が徐々に強くなる。 風も。

寒くなってくる。 

雨具の下にフリースを着込み、それでも寒くて雨具の上にビニールのポンチョを羽織る。

辛抱強く待っていると、先ほど我々を追い越して行ったグループが引き返してきた。

「いやあ・・・突然手がビリビリと電気を感じましてね・・・・やはり戻ります。」と言って小屋の方角へ消えていった。

私「どうするう?」

夫「う~ん、もう少し・・・・」

この「もう少し」は、結局5分ほどだった。

夫「引き返そう。」

私「うん」 

 ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

小屋の玄関には待機状態の人があふれていた。

「雷が縦走路に落ちたらしい」ということで、小屋側も登山者を足止めにしたようだ。

小屋のテレビに映し出される気象衛星の映像・・・・・我々のいる地点はすっぽり雲で覆われていた。

 ~ ~ ~ ~  ~ ~ ~

 

我々が避難していたのは、岩が門のように並ぶ入口付近。 岩と岩の間は3mほど。

帰宅してから、雷について調べた。

背の高い岩は雷を避けるのではなくむしろ誘導する役割として、ある意味安全なのだが、

立つ位置は岩から4mほど離れなければいけないらしい。

もし、雷がこの岩に落ちていたら・・・・

今、思うとぞっとする。