母の再入院

「裕子ちゃんに来てほしいって何度も言ってるから・・・」
 
姉からの連絡を受け、シブシブ帰省の支度をした。
 
1カ月前に再入院した母は、日ごとに弱っているらしい。
が、相変わらず頭は冴えていて、
「裕子ちゃんに二晩続けて病院に泊まってもらうのは大変よ」と言う姉に対して
「じゃあ、私はどうなるの?」と言い返した母。
 
でも、母のわがままをいちいち聞いてたら、こっちの身がもたないよ~・・・
たった3日でも、自身の生活を中断するのはいやだなあ。
パジャマ・・・洗面道具・・・読む本・・・あっ、傘もいるかな?・・・
バッグがどんどん重くなる。
そばにいる夫に向かって「ああ、行きたくな~い!」と叫ぶ。
 
 ☆ ☆ ☆
 
「母はもうだめかもしれない」と言っていたのは2007年6月だ。
あの時から半年ほどの入院生活を経て奇跡的に回復し自宅に戻って早2年半。
 
しかし奇跡が永遠に続くわけはない。
いつかは覚悟しなければならない。
その時が来たのだろうか・・・ 
 
母の病室にそっと入る。
階は違っていたが雰囲気は同じ障子戸のある部屋だ。
母が作ったお人形と花
 
これは多分付き添いを頼んでいる人が折ったものだろう。
 
母は1カ月前に会った時より一回り小さくなっていた。
「ありがとう」の声がか細い。
イメージしていた「わがままな母」ではなかった。
 
指名して呼び出したからには何か話しておきたいことでもあるのかと
覚悟していたけれど・・・
 
話す力もない母
ただ黙ってそばにいるだけの私
 
でも母がそれで満足なら私もそれでいい。
 
帰る電車の時間ぎりぎりまで病室にいた。
帰り際、本当はハグしたかったけれど
すでに私の眼には涙があふれていたので、
見られない様にあっち向いて「じゃあまたね」と言って出てきた。
 
 ☆ ☆ ☆
 
今度呼び出された時は
「いやだ」なんて思わないように・・・・

母の再入院」への2件のフィードバック

  1. 娘ってこういうものなのかな。同性だけにわかりえることと、そうではないこと、子供と母の付き合いから脱すると見えなかったものが突然鮮明になったりして・・・。ハグ以上の癒しだったことは確かだね。ごくろうさま、Yukoさん。

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