町の中心部のアパートに住んでいた娘一家が、郊外の一軒家に引っ越した。
9月のことだ。
引っ越してまだ間もないある日、いつものようにスカイプを始めると、
「お母さん、うちの近くに羊がいるよ。たまたま外を散歩してて見つけたの。」
「えっ? 羊? うっそ~。」
6月に訪れた際、新しい家の付近を案内してもらったのだが、
そこは、郊外と言っても家が何百軒も建っている新興住宅地。
羊が草を食むようなのどかな場所が近くにあったとはとても思えないのが・・・。
その後、写真が送られてきた。
いる、いる、羊が何頭も。
遠目には豚のようにも見えるが、実は羊で、かなりの数だ。
羊の向こうに見える建造物は、スウェーデンとデンマークを結ぶ橋。確かに娘たちが住む家の近くだ。
私「誰が、何のために、飼ってるのかしら?」
娘「羊がいると、草刈りをしなくていいから、置いてるんじゃないのかしら?」
私「ペットとして? それにしては多すぎるよね。牧場かなあ・・・肉用? それとも羊毛用?」
娘「でもそれらしき建物もないし・・・」
私「どっちにしても、興味湧くなあ。誰かに聞いてみてよ、そこの羊のこと。」
いや、別に欲しいわけじゃないけれど・・・
気になる。
ともかく、次回娘を訪ねる時の楽しみがまた一つ増えた。
と思っていたら、昨日の朝開いた娘からのメールには、次のようなことが書かれていた。
家の近くの羊は、20kmほど離れたところにある農場(飼ってる羊は全部で450頭)が持ち主である。
毛は毎年刈り取った後、燃やしていたが、今年は買いたい人が現れたので売るそうだ。
欲しいなら分けてあげる。お母さん、どのくらい必要?
ひゃ~。 なんという展開!
幸運が天から舞い降りてきた・・・
いや、これは幸運というより、娘婿が持ち主に電話をかけていろいろ聞いてくれたからこその結果なのだ。
まずは婿殿に感謝。
こうなったら、動物園の羊の次はスウェーデンの羊だ。
”顔の見える羊たちの毛を使って”シリーズ第2弾!
ああ、わくわくしてくる。