父のこと

父が亡くなって10日。

昔のことをいろいろ思い出している。

☆ ☆ ☆

母を怒る父が嫌いだった。

でも、母のストライキ中、自分でご飯をよそう父がなんだか気の毒だった。

女は家庭に入るのが一番と言って、4年制大学に行くことに反対した父(もっともこれは私の成績で判断したのだがろうが・・・)。

なのに、「東京でなら”とんかつとカレーの店”をやってもいいよ」と軽くつぶやいた私(当時22歳)の言葉を積極的に実現へと後押ししたのは父だ。

銀行は、5年で返済する借金を3年で返済すれば、次は倍の額を融資してくれる、と言いながら3年の返済計画を立ててくれた。自分は父から信頼されてるのだと感じた。

3年間必死で働いて借金を返したものの、結局疲れて田舎へ帰ることを決意。やっぱり、平凡でもいい、安定した収入がある家庭の主婦がいいと、今の主人と結婚した。結局父の言ってたとおりになった。

父が町議会議員選挙に出ることには反対だった。母が苦労するだけだから。

しかし4期も務め最後に議長を務めた父はやはり偉いのだろう。

母が入院中、家に一人ぼっちでいる父の話し相手をしていた時のこと。弟が仕事で活躍していることばかりを誇らしげに語る父。私のことには関心ないのね、と少し不満だった。が、それは言わずに黙って聞いていた。あれは私の親切心。

そんな父も、入院中の母にヘアーブラシ大のマッサージ器具を「頭の上に置いて」と言われ、何とその器具を母のおでこの上に置いて母を大笑いさせた。そんな天然ボケの父が好きだった。

こんな風に、いろいろ思い出はあるのだが、私が父と一緒に暮らしたのは18歳まで。私は父の人生のほんの一部しか知らないのだということに、思い出しながら気が付いた。

通夜、葬儀に集まった親戚、友人・知人、みんなの思い出を繋ぎあわせないと、父の全人生は浮かび上がってこないのだろう。

そもそも、子供といえども親のすべてなんてわからないのだ。

確実にわかっているのは、そして今言えるのは、

私は父のDNAを受け継いでいること、そしてそのことにとても感謝しているということ。きっとそれで十分な気がする。

☆ ☆ ☆

何か父の思い出のものを・・・ともらってきたものが2つ。

一つは巻物式絵手紙「楽らく絵日記」

20141211c

10数年前軽い脳梗塞を起こしたのだが、退院後母に勧められリハビリにと描いていた。

丁寧に表装してもらい、おまけに桐の箱に入っている。

この箱は確か5~6個あるんじゃないかな?

中の文章の3分の2は政治のことが書かれている。父らしい。

20141211d

毎日の絵の題材選びが大変、と母がこぼしていたっけ。

20141211e

あら、母の作ったお人形が・・・・良かった。

もう一つは漆塗りの万年筆

20141211b

インクはカートリッジ式ではなく、ポンプ式。インクはもちろん入ってなかった。

早速文房具店でガラス容器に入ったインクを買ってきた。

20141211a

「父」と書いてみた。

お~!  何と素晴らしい書き心地。

ボールペンになれてしまった手が驚いて、そして喜んでいる。

大切に使おう。

どうもありがとう。

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父のこと」への4件のフィードバック

  1. 命のはかなさを両親の死を通して思い知らされ、だけどそのことによってそれまでにはなかった両親への思いが日ごとに強くなる。父と母、そしてそれ以前の二人の生きてきた時間。知らないことのほうがたくさんあるけれど、共に過ごした時間のなんと貴重でいとおしいのだろう。
    このページのYukoさんに盛岡から熱いハグ!

    • 感じたよ、Utaさんのハグのぬくもり。
      父は意思疎通ができないまま5年も病院にいたから、やっと楽になれたんじゃないかな。
      家に飾るのに父の写真を貰って来たんだけど、これが結構ハンサムなの。
      これから毎日挨拶できるよ。

  2. この絵日記は私も思い出があります。巻物がいくつかたまったので表具をしようと云うことで、高岡の森さんと云う表具屋がありましたが、私も誘われて一緒に行ってきました。出来栄えも良く素晴らしい巻物でした。そして名村さんのホームページを作られてインターネットでこの巻物が見ることが出来ました。私は名村さんの素晴らしい絵手紙を知っていましたので、日本画に挑戦したらいかがかとお誘いし、石崎外志雄さんの教室の北山田教室へ3年ほど通われ、展示会にも出展され、多くの皆さんから好評でした。   栗山孝雄

    • 栗山様

      そうでしたか・・・本当にいろいろお世話になり、ありがとうございました。
      ホームページは従弟が作ってくれたもので、新聞にも取り上げてもらったようですね。巻物は全部で10個あるそうで、随分長く続けていたのだと感心しています。日本画も熱心に描いていたようで、「まだまだ未熟」と言いながらも、ちょっと褒めるとすごく喜んで・・・・。
      日本画の先生にも感謝です。

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